9. もう人前で話す仕事はしない。



【 西村綾子 STORY 9. 】



STORY 6.7.8.と、名古屋のタレント事務所に
所属していた時のことをお伝えしてきました。


この時代は、テレビやラジオの仕事以外にも、
企業VP、イベントや式典、披露宴の司会など、
事務所の力もあり、私でも仕事は山ほどあって、
少しずつお役に立てるものも出てきていました。

本当にたくさんの経験を積ませていただいたことに
感謝しています。



けれど、私の絶対的な力量不足は大前提として、お話ししてきたような、

「私じゃない方がいいのでは…」

と、感じる現場も放送の仕事に限らずあったりして、
本来の自分とかけ離れている「役割」を続けることに
自分が消耗していくのをひしひしと感じていました。



とってもありがたいことではあるのですが、
数ヶ月休みが無いのは当たり前のこの世界で、
体力的にも精神的にも限界かも、と感じた私は、
高校生の時のアルバイトの時に気づいた原点に
立ち返ることにしたんです。
(【STORY 2.】参照)



『呼ばれた場所で精一杯やってみる。
喜ばれるならその先へ、
迷惑をかけるなら次の場所へ』



そうだった…。


私、これ以上出来ないっていうくらい精一杯やった、と思う。
(自分なりにです…)

そして、沢山迷惑もかけたけれど、沢山学ばせてもいただいた。
心からの感謝と共に、この仕事からは離れよう。


もう、人前やカメラの前に立つ仕事はしない。



そう決めて事務所を辞め、
同時に名古屋からも離れることにしました。



東京に引っ越してからしばらくは、
誰も知り合いがいない状態がかえって心地よく、

何をしていても、していなくてもいいってすごい…と
寂しさよりも無になった状態を味わっていたように思います。



















名古屋を離れる直前のレギュラー卒業時の写真。





【 10 】へ続きます