11. 広告代理店勤務



【 西村綾子 STORY 11. 】



番組製作会社を辞め、次に働いたのは
広告代理店のイベントチームでした。


プロ棋士のトーナメント大会と、子供向けの将棋大会を
全国の都市で開催する、運営事務局の担当でした。


ここでの仕事も完全に裏方。

会場押さえや、イベント開催に関わる発注事項、
プロ棋士たちに差し上げる副賞の企画発注まで、

どうしたらイベントに参加された方々に
喜んでいただけるのか、運営がスムースに進むのか、
イメージを膨らませながら様々な調整や発注するのが
とても面白かったのです。



私、やっぱり裏方向きなのよ、裏方大好き♡



そんなある日、その代理店の別部署の方から、
こんなことを仰っていただきました。



「今度、社内の部署の簡単な表彰式を行うのですが、
司会を外注するほどの規模ではなくて。

西村さん、司会やってもらえませんか?
そういう仕事、されてれいたんですよね?」



(人前で話す仕事はもうしないんだけどな)



と思いながらも、社内での司会なら身内しかいないし、
大袈裟に考えなくてもいいかなと、受けることにしました。

果たして…




「これは…ちゃんとギャラお支払いしますね。
またお願いします!」

と、喜んでいただいたようでした。



わたくし、普段事務局として働いている時には、
全く地味に存在していますので、
マイクを持って話し出した時の変わりように驚かれたようですが、
これはよく起きることでして…。



私のONの時を見たことがない方は、
(この人がマイク持って話す人って全くイメージできないんですけど)
と、思われると思います。

普段の私しか知らなかった方が
マイクを持って話す私を初めて見ると
「話し出すと急変しますね」とよく言われますし、


仕事でしか知らない方は、
普段の私がここまで地味だとはイメージできないようです。



つまり

素の私と、お役目を果たしている時の私は
人から見ると別人のよう…ということで、

私は私なのですけれど
自分でも時々、この落差は極端だなと感じます。
良くも悪くも、これはずっと変わらないでしょう(^-^;)




何はともあれ、このことがきっかけで、
この広告代理店が担当していた様々な案件に、
司会としても仕事をいただくようになっていきました。



例えば、

プロゴルフトーナメントのスタートアナウンスや、
プロアマの表彰式の司会をやりながら、
それが終わると、トランシーバーをつけて、
運営スタッフとしての仕事もする、という
裏方と出る役の二刀流ですね。




さて。

STORY 9.でお話ししたように
”もう二度と人前でマイクを持つ仕事はしない”
と決めて事務所を辞め、地元からも引っ越した私が、
広告代理店での出来事をきっかけに、
なぜまたこの仕事をしてみようと思えたのか。


それは…。




















女子プロゴルフトーナメントの試合でスタートアナウンスをしている時の写真





【 12 】へ続きます