12. 司会は裏方♡



【 西村綾子 STORY 12. 】



”もう二度と人前でマイクを持つ仕事はしない”


と決めて事務所を辞め、地元からも引っ越した私が、
広告代理店での出来事をきっかけに、
なぜまたこの仕事をしてみようと思えたのか。


それは…。


『司会者は裏方の出役』であることに気づいたからです。



通常司会者は、本番前に完成した台本をいただいて、
打ち合わせをして本番に入りますので、
制作の過程まで経験することはまずありません。

つまり司会者は出役として、
表に出るところだけを担当するのが一般的です。



けれどこの代理店の仕事では私も内部にいますから、
スタッフとしてイベントの準備に関わります。

その過程で、
主催者がお客様に何を伝えたいイベントなのか、
お客様にどのように感じていただくための会なのか、
そんなことを制作側から見聞きし理解した上で、
司会進行することになるわけです。


裏方としての意識や情報を持っているからこそ、
この会をどのように進行すればいいのか、
その「役割」がより明確になります。

このような形で司会をさせていただくうちに、



『伝えたいことがある人と、
それを受け取っていただきたい人を繋ぐのが
司会者の役割。

それって、
裏方としての意識を持って表に出る役割をする
ってことなのね!!』



と、気づきました。(あくまで私の解釈です)

そして、私の意識は大きく変わっていきました。
なぜなら、私には裏方が向いているのですから!!




こうして現場を重ねるたびに、
前に出てスポットライトを浴びるのが司会者ではなくて
(名古屋時代はこのイメージが拭いきれず苦手に感じていました)

伝えたいことがある人と、
それを受け取っていただきたい人を、
前向きに、心地よく、幸せな形で繋ぐため‥


その目的を理解した上で


「繋ぎ手として存在するのが司会者」


なのだと確信していったのです。




私の得意な「裏方」の仕事の中の1つとして、
マイクを持って人と人とを繋ぐ役割を担当をするのが
司会者なんだと、役割の定義が明確になったことで、
私はこの仕事に興味が湧いてきました。



そして、名古屋時代にお世話になった事務所の
東京オフィスの門を叩き、社長にもご挨拶をして、
東京でフリーアナウンサーとしての仕事を
本格的に再開することにしたのです。




名古屋時代にも、相当の数の司会を担当させていただきました。

けれど、一度離れて、私自身も様々な経験を積み、
司会の役割が自分なりにがっつり腑に落ちてから
再スタートしてみると、とても面白い仕事であることがわかってきました。



そして、

イベント、式典、パーティー、トークショー、
披露宴などの受注やリピート、指名の数が増えていき、

イベント事務局との契約期間が終了した後も、
代理店から司会の仕事をいただくことも続いていて、
私は司会の仕事が少しずつ好きになっていきました。


そんな2007年秋のことです。


日本テレビ 朝の情報番組「スッキリ」の
リポーターオーディションに呼ばれたのは…。



私が司会者としてどのように思考し行動しているのか
については〈こちら
会議やプレゼンで話すのが苦手な方にも取り入れられる方法です。














↑ 百貨店でのトークショー


















↑ 披露宴司会





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